メモ|ビジョン2030への道筋の再検討

要約

  • Jリーグは「リプランニング推進サポートチーム」を発足し、「社会連携、フットボール、toC、事業強化、経営基盤」についての打ち手を議論・検討していくことを発表した。
  • 発足の背景には、コロナ禍を受けて元々の中長期計画の見直しが強いられていることがある。
  • 今後の実現に向け、もしくは実現すべきかどうかも含め、10個のテーマについて議論を進めていく予定。

メモ

 Jリーグは2020年に「ビジョン2030」を策定し、リーグの未来像を掲げていた。しかし新型コロナの影響でビジョンの前提が大きく変わったため、その道筋を改めてプランニングするのがサポートチーム発足の意図だろう。ポイントはあくまでもプロセスの再検討であり、ビジョン自体の変更はないことだ。したがって、当初の想定よりも多少現実味が薄いプランやタブー視される施策なども検討されると思われ、サポーター含め関係者とのハレーションが起きないようなコミュニケーションが求められる。

 10個のテーマはその特徴によって3つのレイヤーに分けられているが、注視すべきは「②思想レベルの意識転換が必要で、前提となる研究分析を継続するもの」だ。ここに含まれるテーマは、Jリーグが守ってきた理念に触れる改革で、荒療治を伴い得る内容となっている。たとえばネーミングライツ解禁は企業名を認めない原則に反するものであるが、その原則の変更も検討のテーブルに挙げられる。もちろん時代にそぐわない慣習を盲目的に守る必要はないが、その原則がなぜあるのかを慎重に検討してほしいし、多くの人の声を取り入れてほしい。「なぜフェンスが建てられたのかわかるまで、決してフェンスをとりはずしてはならない」のだから。