多様な方向に発展してきた日本サッカー
100周年への感謝
2021年9月10日、日本サッカー協会(JFA)は創立から100周年を迎えた。現会長はこの100年を「あっという間」と評したが、一から立ち上げ、日本サッカーを紡いできた先人のことを考えると、むしろ永遠にも感じられる長さに圧倒される。
私たちは環境変化に順応し、慣れていく。この能力があるからこそ、各方面への感謝も薄れていく。そうした人間の特性を理解した上で、感謝を忘れるべきではないという思想から、「周年記念」のような文化が生まれたのだと思う。そのため表彰事業がセットで行われることが多い。
100年もの歴史を積み重ねた先人に感謝すると同時に、サッカーの母国イングランドのサッカー協会は1863年に創立されており、50年も先に歩み始めていることに驚きを隠せない。現在の強さや文化の違いを考えると、この50年の差が何らかの意味を持っているように感じられ、やはり「あっという間」と評価するのは難しい。
他方で、彼らが先陣を切ってくれたから世界中にサッカーが広がり、日本にも届いたと考えると、感謝を述べたい。実際、イングランドサッカー協会からシルバーカップが寄贈されたことが日本サッカー協会創立のきっかけとされており、日本サッカー史に多大な影響を与えている。
サッカーにはいろんな形がある
JFAは100周年を記念するために様々な取り組みを進めてきたが、その一つにサッカファミリーへのインタビュー「サッカーの価値再発見」がある。様々なインタビューを読んでいると、普段Jリーグばかり見ていて視野が狭くなっていたことに気づく。サッカーはいろんな人がプレーしているのだ。
「サッカーはいろんな人に支えられている」とよく言われるが、少なくともJリーグの試合がどんな人に支えられているのかは頭で理解していた。ただそこまでだった。サッカーという競技はもっと広い。女子サッカー、ビーチサッカー、ブラインドサッカーなど様々な形でプレーされている。
多様な形で実践されるサッカーがそれぞれ関わり合い、それら全てを支えてきたのが日本サッカー協会なのだ1。サッカーの形をJリーグや男子日本代表に狭めてはいけない。サッカーファミリーはもっとたくさんいる。
1ブラインドサッカーはJBFAで別組織。
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