【積読メモ】”批評”の懐の広さを知る

ネガティブな意味で使われがちな”批評”の再確認

”批判”のイメージに引っ張られているせいか、”批評”はネガティブな意味で使われることが多い気がします。けれども実際の批評には、クリエイティブで新たな視点を与えてくれるものもあり、個人的にはポジティブなイメージです。というわけで、言葉のイメージを再確認するために本書を積みました。
ちなみに”批評”とは「比べて、良い悪いを品定めする」を意味するらしく、悪い品定めをした批評にライトが当てられたことで、ネガティブなイメージが持たれているのかもしれません。

言葉の裏にある背景や意図を読み解く”批評”行為は、サッカー分析とも通じる気がする

”批評”と聞くと、芸術作品を分析したり解釈することが思い浮かび、そこでは目に映る範囲を超えて、その背景にある意図や歴史を読み取っているイメージです。もしそうだとすれば、目の前のプレーに隠された戦術的意図や個人の判断など読み解く、サッカー分析と通じるものがあるように感じます。
実際プロローグには批評というのは映画やアニメのような「芸術作品」としてイメージしやすいものから、ゲームやスポーツ、広告やファッションのようなものまで、何でも対象にできます。[1]プロローグ,第8段落とあるので、”サッカーを批評する”ことも可能なのだと思います。

サブタイトル「チョウのように読み、ハチのように書く」でぼんやりとイメージは掴めそう

何かに興味を持つのは、たいてい対象のことを「100%知らない」ではなく、「50%くらいは知ってる」くらいの時だと思います。対象の事物と、自身の持っている既存の知識との繋がりが適度にある感じ。
このサブタイトルを見ると、「チョウが飛ぶようにゆらゆらと軽い感じで読みつつ、ハチの針で刺すようにワンポイントを深く考察して書く」的なことを、なんとなく感じ取れます。けれど実際にどのように批評するのか、そもそも批評ってなんなのか、といった具体的な部分はもやもやしている状況です。それくらいの時が一番興味を持って読み進められます(なら読み始めなさい)。

脚注

脚注
1プロローグ,第8段落